Henry's Freedom Box

邦訳は『ヘンリー・ブラウンの誕生日』です。
コルデコットオナー受賞作品です。

ヘンリー・ブラウンは黒人奴隷でした。
最初のご主人が亡くなる時、自由にしてもらえるか、一瞬期待した
ヘンリー。
でもご主人はヘンリーを自分の息子の奴隷とします。それは、
ヘンリーが母親から引き離されることを意味していました。
新しいご主人のもとで仕事をするうち、ヘンリーはナンシーという
奴隷の女性と出会います。お互いの主人の許可を得て二人は結婚し、
3人の息子に恵まれ、奴隷ながらも幸せに暮していました。
ところが全く突然、ナンシーと3人の息子達が奴隷市場で売られて
しまいます。
ひとりぼっちになり絶望の淵に落ちたヘンリーは、友人と奴隷制度
廃止論者のドクターの援助で自分を木箱につめてもらい、奴隷制度
のない北部に送ってもらう計画を実行します。
死にそうになりながらも、無事に北部のフィラデルフィアに着いた
ヘンリー。
自由になったその日、1849年3月30日を自分の誕生日としたの
でした。

本文にはありませんが、後ろの解説に、ヘンリーは自由になった
ものの、二度とナンシーや息子達と会えなかったことが書いて
あります。

自由の大切さ、家族が離れ離れになる辛さ、人間が売買される
制度の不合理など、説明しなくても、ひしひしと感じさせられます。
ぜひぜひ、ご家族で読んでいただきたい1冊です。


総語数1060語。
英文があるのは23ページ。1ページに1〜20行、平均8行です。
Nativeの4〜8才向けとなっています。
行数の多いページもありますが、1文が数行にわたっていますので、
実際はそれほど分量は多くありません。

難しい単語は
freedom (自由)、slave (奴隷)、torn (tearの過去分詞形、
〜を引き裂く)、quilt (布団)、beckon (〜に合図する、
手招きする)、obey (〜に従う)、soar (舞い上がる)、
swirl (ぐるぐる回る)、poke (つつく)、mistress (女主人)、
dare (あえて〜する)、crate (木箱)、slavery (奴隷制度)、
warehouse (倉庫)、sore (痛い)、vitriol (硫酸)、tip 〜 over
(〜をひっくり返す)、burst (破裂する)、scrape (〜をこする)、
rattle (ガラガラいう)、pry open (こじあける)
くらいでしょうか。
  

(ハードカバー)

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