Miss Rumphius
邦訳は『ルピナスさん—小さなおばあさんのお話 』です。
物語の語り手の女の子の大叔母であるアリス・ランフィアスは、
「ルピナスさん」と呼ばれています。
彼女が小さい時も、彼女は別の海の見える丘の上に住んでいて、
船首の飾りを作る仕事をしていた彼女のおじいさんから、
遠い国の話を聞いていました。
そして自分も大人になったら遠い国を旅して、その後、海の
そばに住もうと思うようになったのです。
ですが、おじいさんは彼女に、もうひとつすべきことがあると
言いました。それは「世界をもっときれいにすること」。
大人になって図書館に務めた彼女は本でも遠い世界を知り、
やがて旅に出ます。
南の島に行き、雪山に登り、ジャングルを、砂漠を旅し、
たくさんの友人を作ります。
ラクダから降りる時に背中を痛め、彼女は海のそばに家を持つ
ことにします。
次の春、彼女はベッドで過ごすことが多かったのですが、
前の夏に庭に植えたルピナスが彼女を楽しませてくれました。
次の春、体調がよくなった彼女が久しぶりに散歩をすると、
丘の反対側にもルピナスが!
彼女の庭から種が風で運ばれたのです。
長い間、「世界をもっときれいにする」方法を探していた彼女に、
その時答えが見つかりました。
人々から頭がおかしいと言われることも気にせず、彼女は
たくさんのルピナスの種を、あちこちにまいていきます。
そして次の春にはあたり一面がルピナスで覆いつくされたのでした。
語り手の少女は、この大叔母から遠い国の話を聞き、自分も
遠い国を旅して、その後、海のそばに住もうと思うように
なりました。
その少女に大叔母はもうひとつすべきことがあると言います。
「世界をもっときれいにすること」。
まだ少女にはどうやってきれいにするのかはわかりませんが、
その言葉を深く心に刻んだのでした。
この物語のメッセージ、とても心に響きます。
派手さはない絵本ですが、ぜひたくさんの方に読んでいただき
たいと思います。
総語数 1242語。
英文があるのは15ページ。1ページに2行-14行、平均9行です。
Native の4-8才向けとなっています。
難しい単語は
lupin (ルピナス)、great-aunt (大叔母、父または母の叔母)、
wharf (波止場)、bristle (とげのように立っている)、figurehead
(船首像)、prow (船首)、salt air (潮風)、conservatory (温室)、
isle (発音:アイゥ、小島)、cockatoo (コカトゥー、オウムの種)、
mother-of-pearl shell (真珠貝)、Lotus-Eater (ロトパゴス)、
bushel (《容積単位》ブッシェル=35.238リットル)、headland
(畑の枕地)、fling (放り投げる)、hollow (小渓谷)
くらいでしょうか。
(左:CD付きの絵本、右:ハードカバー。
ペーパーバック単独は現在は入手できないようです)