Fantastic Mr. Fox
邦訳は『すばらしき父さん狐』です。
奥さんと4匹の子どもと一緒に大きな木の下の穴に住んでいる
お父さんキツネ。
このお父さんキツネは3人の農場主から、鶏、アヒルと鴨、
七面鳥とリンゴ酒を少しずついただいて、生活の糧にしています。
いつも自分のものを盗まれる方の農場主は、キツネを目の敵に
しています。
ある日、3人は協力し、パワーシャベルでキツネの穴を掘り返し
始めました。
ですが、お父さんの号令で、キツネの一家は地下に穴を掘り、
逃げて行きます。
最初は闇雲に穴を掘っていたキツネ達ですが、お父さんはいい
アイデアを思いつきます。
それは子ども達に丸3日、飲まず食わずで穴を掘り続けさせる
ことになるのですが、子ども達は喜んでお父さんに協力します。
最初に掘ったトンネルは1番目の農場主の鶏小屋に通じ、そこで
食料を手に入れます。
途中、アナグマに会い、アナグマを始め、ウサギやモグラ等の
穴に住む動物達も今回の騒動に巻き込まれて、飢えていることを
知らされます。
お父さんキツネはアナグマの親子を連れて、今度は2番目の農場主
の食料貯蔵庫へ穴を掘り進め、そこでも食料を調達します。
そして、3番目の農場主のリンゴ酒貯蔵庫にも行き、リンゴ酒も調達。
それらの戦利品を持ち帰り、飢えている仲間達みんなで、盛大な
パーティーが開かれます。
外では雨の中、穴からキツネ達が出てくるのを今か、今か と
待っている、哀れな3人の農場主の姿が...。
ハラハラ、ドキドキしながら読み進め、達成感のある最後が
心地いいお話です。
アナグマが「盗みをすることに罪悪感はないのか」と尋ねたり、
3番目の農場主のリンゴ酒貯蔵庫に住み込んでいるネズミが自分
のことしか考えていなかったり と、社会生活を考える材料も
用意されています。
総語数 9145語。
英文があるのは77ページ。
それが18章に分かれていますので、1章が4ページちょっとです。
しかも、ほとんどすべてのページに挿絵がありますので、とても
楽に読めると思います。
単語もそれほど難しいものはありません。英検3-4級レベルでしょうか。
お子さんが初めて挑戦する章立ての本にしてもいいかもしれません。
Native の8才以上となっていますが、読み聞かせなら、幼稚園に
入るくらいのお子さんでも大丈夫です。
アマゾンのサイトでは第1章が見られます。
(左:ペーパーバック、右:CD)
↓CDにはダールの他の作品も収録されたものもあります。