Voices in the park
4人のそれぞれの立場が面白い絵本です。
2組の親子が、それぞれ犬を連れて公園に散歩に行きます。
まずは息子のチャールズと血統書付きのラブラドールのヴィクトリア
を連れたお母さんの独白。
むさくるしい雑種がヴィクトリアに付きまとうのが嫌で、追い払おうと
しますが、うまくいきません。
晩御飯を何にしようかと考えていると、息子のチャールズの姿が
見えなくなっていました。
ずっと名前を呼んで探し、ようやく汚い子と遊んでいるのを見つけ、
息子と犬を呼び戻します。
そして無言で家路につくのでした。
次は娘のスマッジと犬を連れた失業中のお父さんの独白。
無駄と思いつつも、公園で新聞の職業欄を見ます。
帰り道でも娘が自分を元気づけてくれるのを嬉しく思います。
次はチャールズの独白。
公園に着くと、人懐っこい犬がヴィクトリアと一緒に遊ぶのをみて、
羨ましく思います。
すると、女の子が一緒にすべり台をしないかと声をかけてきます。
チャールズは女の子と一緒にすべり台やわたり棒、木登りをして
楽しく遊びます。
お母さんから呼ばれたので仕方なく帰りますが、次もこの女の子、
スマッジと遊べたらいいなと思っています。
最後はスマッジの独白。
失業中でふさいでいたお父さんが公園に行こうと言った時、スマッジ
は安心します。
犬のアルバートは放すとすぐに走り回り、きれいな犬と遊びますが、
その犬のばかな飼い主から嫌がられます。
その飼い主の息子に話しかけて、シーソーなどで一緒に遊びます。
男の子は最初弱虫に見えたけど、だんだんと打ち解けました。
一緒に笑ったり、遊んだりして、とても楽しく過ごし、花ももらいました。
でも男の子はお母さんから呼ばれて、寂しそうな顔をして帰って
行きました。
家に着いて、男の子からもらた花を飾り、お父さんに温かいココアを
いれてあげました。
公園でのひとときが、それぞれの感じ方で、こんなに変わるのかと、
ちょっとハッとさせられる絵本です。
自分も時々、このお母さんのようになってないだろうか と。
我が家の娘は、この絵本の女の子みたいだな とか。
それぞれの声に合わせて、文字のフォントや絵の描き方を変えて
あります。
少し考えさせる絵本ですが、背景に面白いものが描かれていたりして、
お遊びの要素もあり、幅広い年齢の子に合うようになっています。
総語数 544語。
英文があるのは22ページ。1ページに1-8行、平均4行です。
Native の 7-11才向けあるいは Kindergarten-Grade 5 となって
います。
難しい単語は
pedigree (純血種の) 、leash (ひも)、scruffy (むさ苦しい)、
mongrel (雑種)、shoo (シーッと言って追い払う)、whatsoever
(何があっても)、fed up (うんざりしている)、twit (ばか者)、wimp
(弱虫)、bandstand (屋根付き野外ステージ)
くらいでしょうか。