Mouse Tales

邦訳は『とうさんおはなしして』です。
" Frog and Toad " の作者 Arnold Lobel の作品です。

序章と以下の7話、終章が収録されています。

・序章
お父さんネズミは7匹の子どもたちに、寝る前のお話を
せがまれます。
お父さんはそれぞれの子どもにひとつ、計7つのお話を
始めます。

・The Wishing Well
ある日、ネズミは願いがかなう井戸を見つけます。
1ペニーを投げ込んで願い事をしますが、井戸は「痛い!」
と言います。
次の日も同じ。
その次の日、ネズミは1ペニーを投げ込みながら、井戸が
「痛い!」と言わないことを願いますが、やはり井戸は
「痛い!」と言います。
そこでネズミは家から枕を持ってきて、井戸に投げ込みます。
井戸は喜び、それ以来、ネズミの願い事は全部かなうように
なりました。

・Clouds
ある日、子ネズミがお母さんと散歩に丘にやってきます。
2匹で空を見上げ、雲がいろいろな形に変わるのを楽しみます。
やがてお母さんはお花を摘みに行きますが、子ネズミはまだ
雲を見続けます。
ところが、雲が大きなネコになり、子ネズミを脅かします。
お母さんに「ネコの形が消えて雲に戻ったから怖がらなくて
大丈夫」と言われますが、子ネズミはそれ以降、空を
見上げはしませんでした。

・Very Tall Mouse and Very Short Mouse
背が高いネズミと背が低いネズミがいて、2匹はとても
仲よしでした。
2匹はよく一緒に散歩に行き、そこで出会うものに声を
かけます。
同じ場所にいても、背が高いネズミと背が低いネズミでは
視線が異なるので、声をかける相手も違います。
ですが、雨が上がった空に虹がかかった時は、背が高い
ネズミが背が低いネズミを持ちあげて、2匹で一緒に虹を
眺めたのでした。

・The Mouse and the Winds
ある日、ネズミはボートで湖を行こうとしますが、風が
なくて進みません。
ネズミは風を呼び、ボートを動かしてもらおうとします。
すると西風が来て、ボートを陸の上の家の屋根に上げて
しまいます。
またネズミが風を呼ぶと、今度は東風が来て、家とボートを
木の上に上げてしまいます。
次は南風が、木と家とボートを山の上に上げてしまいます。
最後に北風が山と木と家とボートを湖に吹き飛ばしてくれます。
山は島になり、木と家は島の上に降り、ようやくネズミは
湖を航行できたのでした。

・The Journey
ある日ネズミはおばあさんのところへ行こうとします。
車で進んでいると、車がだんだんダメになり、分解して
しまいます。
次はローラースケートで行きますが、これもダメになって
しまいます。
次はブーツ、次はスニーカーと次々に手段を変えますが、
それもダメになり、ネズミは最後に足を変えます。
そしてようやく、おばあさんのところにたどり着いたのでした。

・The Old Mouse
年寄りのネズミがいて、彼は子どもが嫌いでした。
子どもに出会うと「あっちへ行け!」と怒鳴る始末。
ところがある日、彼のサスペンダーが壊れ、ズボンが落ちて
しまいます。
彼は助けを求めますが、道行く女性は逃げ、奥さんからは
「馬鹿な格好をして!」と頭を叩かれます。
彼が泣いていると、同情した子ども達はガムでズボンを
シャツに付けてあげます。
それ以来、年寄りのネズミは子ども達に親切になったのでした。

・The Bath
ある日ネズミはお風呂に入りました。
汚れがとれないので、水を流しながら入っていると、水が
あふれて街が洪水になってしまいます。
「もうきれいになったから、水を止めなさい!」と
言われたネズミはようやく水を止め、きれいなった体を拭き、
洪水のことなど気に留めず、ベッドに入るのでした。

・終章
お話を終えたお父さんは「まだ誰か起きてるかな?」と
尋ねます。
答えは返ってきませんでした。

短いお話がたくさんなので、少しずつでも楽しめます。  
お父さんが子ども達のために、創作のお話をしてあげる
ところが微笑ましいですね。


総語数 1505語。
英文があるのは59ページ。1ページに1-13行で、平均6行です。
" I Can Read Books " シリーズのレベル2(Reading
with Help)に分類されています。(NativeのGrade 1-3)
分量が多いように見えますが、1文が数段にまたがっています。
また、各章は短いですが、9章で構成されています。

難しい単語は
cellar (地下室)、puddle (水たまり)、ceiling (発音:
スィーリng、天井)、tramp (徒歩で旅行する)、horrid
(ひどく不快な)、snore (いびきをかく)
くらいでしょうか。

*アマゾンのサイトでは、中身が少し見られます。


(左:ペーパーバック、右:ハードカバー)

("Mouse Tales" と "Mouse Soup" が収録されたCDです)

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