The Boy of the Three-Year Nap
邦訳は『さんねんねたろう』です。
コルデコット賞受賞作品です。
日本の民話の英語版です。
太郎は母親と二人暮らしで、母親は着物を仕立てて生計を
立てています。
太郎は寝てばかりの怠け者で、みんなから三年寝太郎と呼ばれて
います。
太郎がそろそろ大人になる頃、街にお金持ちの商人一家が越して
きました。夫妻には年頃の優雅な娘もあります。
その夫妻の家には茶室のある庭があり、金色の鯉が何匹も泳ぐ
池もあり、太郎は羨ましく思います。
太郎は母親から仕事をするよう言われますが、策があると言い、
黒い僧衣を作るよう言います。
ある晩、太郎はその黒い僧衣を着て、顔を炭で怖ろしい形相にし、
街の氏神の社に行きます。
そこに商人が散歩でやってくると、僧衣を着た太郎は自分が氏神
だと言い、商人に娘を太郎の嫁にしないと罰で娘は土瓶にされる
だろうと脅します。
怖れをなした商人は娘を太郎の嫁にしてもらうよう、太郎の母親に
頼みにきますが、母親は雨漏りのするボロ家に嫁は迎えられない
と断ります。
商人は家を修理しますが、母親は部屋が1つしかないことを理由に
また断ります。
商人が部屋を建て増すと、今度は太郎に職がないことで断ります。
商人は自分の仕事を太郎にさせることを決め、母親はようやく
承諾します。
自分の策の通りに、自分の家がだんだん立派になるのを喜んでいた
太郎でしたが、仕事をさせられるのは計算外。
しかしながら、商人の娘と結婚し、真面目に仕事をして、太郎は
幸せにくらしたそうです。
実は私はこのお話を知らなかったのですが、こんな詐欺のような
お話は教育上いかがなものでしょう? 展開は楽しいのですが。
すっきりした絵で日本の昔の情景が描かれていて、しかも怠け者の
日本人もいるということで(ある意味「ゆるキャラ」?)、
日本の紹介にはいいかもしれませんね。
総語数 1700語。
英文があるのは18ページ。1ページに2-15行、平均8行です。
Nativeの4才以上向けとなっています。
難しい単語は
cormorant (鳥のウ)、widow (未亡人)、bob (~を
ひょいと動かす)、lad (少年)、at a stretch (立て続けに)、
exquisite (この上なく素晴らしい)、brocade (錦)、
enchant (~を魅了する)、pester (~にうるさくせがむ)、
haul (運ぶ)、crumble (崩れる)、priest (導師)、dawn
(夜明け)、try as she may (どんなに頑張っても)、
brow (眉)、scowl (発音:sカゥゥ、しかめっ面)、
alarm (びっくりさせる)、smack(平手討ち)、dusk
(夕暮れ)、stroll (散策)、startle (~をびっくりさせる)、
bellow (怒鳴る)、cower (萎縮する)、tremble (身震い
する)、growl (発音:gラゥゥ、ガミガミ言う)、
decree (~を運命づける)、ordain (運命づける)、
sanctify (許可する)、grant (許可する)、impudent
(厚かましい)、mortal (人間)、thunder (~を大声で言う)、
dare (あえて~する)、bargain (交渉する)、wail (~を嘆く)、
drawn (やつれた)、grimly (険しい顔をして)、honorable
(閣下)、eager (~を切望した)、humble (つつましい)、
frown (発音:fラゥn、顔をしかめる)、mumble
(ボソボソと言う)、chuckle (クスクス笑う)
くらいでしょうか。
(左:ペーパーバック、右:ハードカバー)